Column
コラム
2026.03.20
生産者と『同じ時間を生きる』という価値
ラグジュアリーとは、単に高価であることではありません。
それは「どれだけ深く、心に触れる体験であるか」ということだと、私は考えています。
私が何より大切にしていることは、生産者との『時間』です。
同じ場所で、同じ空気を吸い、同じテーブルを囲む。
その中でしか見えないものがあります。

生産者は、ただ『つくる人』ではありません。
その土地に生き、自然と共に暮らし、日々の選択の中で哲学を育てています。
どの瞬間に収穫するのか。
どこまで手を加え、どこで手を引くのか。
そのすべてに、その人の生き方が現れます。
だから私は、「ものづくり」だけでなく、『その人がどう生きているのか』に触れたいと思うのです。
先日、FOODEX JAPAN(国際展示会)の会場で、西オーストラリアから来日した生産者たちと再会しました。

ハチミツ、ワイン、オリーブオイル、お茶――
それぞれが、語り尽くせないほどの物語を持っています。
時に詩人かと思うようなワードが語られます。
「自分のつくったもので誰かのテーブルが満たされ、
その時間が少しでも豊かになるなら、それ以上の幸せはない」
そんな想いに触れたとき、
“価値”とは、目に見えるものだけではないと改めて感じます。
だからこそ私は、生産者との時間を惜しみません。
そこにしか存在しない、本物の価値があるからです。

